マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

マイナンバー違憲訴訟神奈川、違憲判決ならず。

 ご報告が遅くなってしまいましたが、先月の26日にマイナンバー違憲訴訟神奈川の判決が言い渡され、各社の報道で皆さんも御存知かと思いますが、筆者が予測した通り違憲判決は得られませんでした。

 判決の言い渡しを法廷にて傍聴したのですが、事前の広報が奏功したのか傍聴は抽選となり、希望者の30名ほどが外れるという結果で傍聴席は満席になりました。

 そんな熱気の溢れる中、裁判長が入廷してから「原告の請求を棄却する」と判決を言い渡し、退廷するまでが僅か10秒という瞬殺で(苦笑)、傍聴席から「要旨を説明して下さい」という声が飛び出す始末です。

 最初から敗訴を予測していた筆者は、まぁ、こんなものだろうとある意味、冷めていたのですが、他の傍聴者と共に法廷を出ると裁判所の入口付近に人だかりができており、弁護団の若手弁護士2名が不当判決の旗出しをしている最中で、テレビカメラが撮影していました。

 

 筆者は当日、開廷時間が迫ってから入廷したのですが、判決の1時間程前に原告団の入廷行動が行われことを翌日の報道で知りました。提訴時の入廷行動には参加したのですが、あれから3年半の月日が流れたかと感慨にとらわれ、よく闘ってきたものだと。

 三権分立が怪しくなっている現状だけに違憲判決は得られませんでしたが、弁護団の先生方の血の滲むような努力は尊敬に値すると思うのです。

 マイナンバー違憲訴訟が提訴された時、我々のことを中傷した人物をネットで見掛け、中には新聞記者もいたので苦笑したのですが、この機会にはっきり申し上げます。

 あくまで筆者個人の考え方ではありますが、この訴訟は勝つことが目的ではなく、裁判という形で世間に問題を提起することが重要なのです。

 マイナンバーという制度にいかなる危険性が潜んでいるのか裁判を通して炙り出すことが狙いなので、勝つか負けるかという結果にはさしたる意味はありません。

 もちろん勝てれば喜ばしいですが、仮に最高裁まで闘って敗訴したとしても、我々の活動が無意味だったということはなく、一定の評価は出来ると筆者は考えています。

 

 判決後の報告集会は記者会見も兼ねており、満席の会場では参加者側の席の最前列にメディア陣が並び、ひな壇には3名の原告と共に弁護団が勢揃いして壮観でした。

 国側を勝たせる為にこじつけたような判決文には弁護団代表である小賀坂弁護士はもちろん、原告団長である宮崎俊郎氏も憤っておられましたが、横浜地裁マイナンバー制度の運用に伴う数々の問題点は認めており、判決では改善の必要性に言及しました。

 判決の翌日から新聞やネット上で報道をチェックし、あらゆるメディアで神奈川訴訟の判決が報道されたことは知りましたが、記者会見の模様を報道したメディアは地元のテレビ神奈川のみで、NHKでは原告団の入廷行動の画像しか確認出来ませんでした。

 報告集会に参加した原告としては、弁護団や原告がそれぞれの思いをアピールした記者会見こそ報道してもらいたかったのですが、全面敗訴で報道の必要なしと判断されたか、いささか納得のいかない報道ではありました。

 

 明らかに国側に忖度した不当な判決を受けて、控訴の手続きをする原告の数は半減するかと思われましたが、筆者自身を含む180名にのぼる原告が控訴審に挑む結果になったと知り心強いです。

 来年の春先あたりに控訴審の口頭弁論が東京高裁にて開かれると思いますが、その前に、12月2日に東京訴訟の最終弁論が予定されておりますので、マイナンバー制度に関心をお持ちの方は是非とも12月の最終弁論を傍聴して頂きたいと思います。

 神奈川訴訟の第一審が終結したことにより、控訴審は東京高裁で審議されますので、今後は首都圏の関連訴訟は東京のみで裁判が開かれることになります。

 東京、神奈川の両訴訟を傍聴してきた筆者としては、霞ヶ関に足を運ぶ機会が増えそうですが、今後もブログを続けていく所存ですので宜しくお願いします。

  

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