マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

マイナンバー違憲訴訟神奈川、第3回口頭弁論

今月になってから仕事に追われ、更新が滞ってしまいました・・・遅くなりましたが、9日に横浜地裁にて開かれた神奈川訴訟の第3回口頭弁論をレポートします。

今回は配偶者を同伴したため原告席には着かず、久し振りに傍聴席での参加でしたので抽選に備えて並びましたが、今回も抽選にはなりませんでした。

原告席に着いた20名の原告合わせて傍聴人は90名弱というところでしょうか。

午後4時からの開廷でしたので抽選になるかと期待したのですが、なかなか傍聴席を満席にするのは難しいですね・・・今回は思いのほか長い裁判で見応えがあったので、多くの方に傍聴して頂きたかったのですが。

傍聴席に着いて間もなく、原告のみに裁判資料が配布されたのですが、資料を受け取るために手を挙げた原告の数は多くはなく、いささか複雑な気持ちになりました。

プロである弁護団にお任せというスタンスもあるでしょうが、裁判の進捗状況を自分の目で確かめたいと筆者は思うのですが、裁判所に足を運ぶというのは一般の方には敷居が高いのでしょうか。

 

開廷後に裁判長から原告の意見陳述の内容について指摘があったことに少し驚きました。訴訟の趣旨と関係のない内容が記載されていると言うのですが、配られた資料の中にあった意見陳述の内容を見ても、特に問題はないのにと首を傾げました。

次に原告側が提出した準備書面に基づき、4名の代理人がリレー形式で意見陳述を行ったのですが、過去の具体的な判例を引き合いに出し、かなり踏み込んだ内容になっていました。

最後に陳述された弁護団長である小賀坂先生は、情報提供ネットワークシステムが国の管理下にあることの危険性を指摘。

システムの管理を第三者機関が担っているオーストリアと比較し、国が直接個人情報にアクセス出来ることで意図的に情報を入手することが可能になると。

筆者が最も懸念しているのがそれで、マイナンバー制度というのは例えは悪いですが、 泥棒に金庫番を任せているようなものだと思うのです。国民年金基金の大規模な情報漏洩事件を目の当たりにして、国に対する信頼が失墜したと申しましょうか。

 

弁護団の意見陳述の後、税理士をなさっている原告の方が意見陳述をされました。

マイナンバー制度は災害等の被災者支援に活用されるという建前でしたが、個人番号カードの普及率が低いことから昨年の熊本・鳥取地震では活用されなかったと。

筆者も熊本地震が収束に向かった次期に同様の記事をネットで目にして疑問を抱いたのですが、国民の利便性を謳っている筈の制度が肝心な時に役立たないという本末転倒な事態になっていると、その原告は主張されていました。

意見陳述後に国側の代理人が、原告の意見陳述は延々と続くのかという趣旨の発言をしたのですが、裁判長が代弁する形で原告側の主張は概ね出されたと判断し、次回期日までに国側に答弁書を提出するよう求めました。

 

今回の裁判で筆者が注目したのは弁護団が陳述した準備書面の中で、マイナポータルに関する記述でした。

今年の7月から運用開始と予定されているマイナポータルですが、利用するには複数のソフトウエアをインストールする上に、専用の機器を購入する必要があると。

ソフトをインストールした後は、必要に応じて最新版にアップデートしなければならず、相当なITリテラシーを要する作業になるという話なのです。

インターネットに馴染んでいる若い世代ならいざ知らず、果たして高齢者が上記のような複雑な作業をパソコンでこなせるかというと無理があり、マイナポータルが活用されることは殆ど無いのではないかと。

また、市役所等に勤務する行政職員が特定人物の個人情報を不正に入手して犯罪を犯すという事件が相次いでいることを鑑みても、マイナンバー制度は実質的に破綻の状態にあると筆者は見ています。

 

全国の自治体でも対応が追い付かず、負担に悲鳴を上げている自治体が少なくないという話ですし、笛吹けど踊らずというのは、まさにこのことだと。

いかに政府が躍起になってマイナンバー制度の旗を振ったところで、何ら利便性を感じない国民がそっぽを向くという結果になりかねないと思うのです・・・住基ネットの二の舞が現実になろうとしている。

マイナポータルが利用されないということは、システムの構築と維持管理に投入される莫大な税金が無駄になるということで、それは即ち、国民の老後の備えである年金資金がますます細っていくことを意味しています。

長くなりましたので、裁判後に行われた報告集会のレポートは次回にさせて頂きます。

  

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