マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

マイナンバー違憲訴訟神奈川、第9回口頭弁論

 先月の25日に開かれたマイナンバー違憲訴訟神奈川、第9回口頭弁論をレポートします。ここ数回の口頭弁論は傍聴席がほぼ満席になることが多く、神奈川訴訟は活況が続いていますが、今回の裁判は冒頭から分かり難かったように思います。

 裁判長と原告代理人との間で証人申請に関する確認が行われたのですが、やりとりが複雑で聴き取り難く、高齢の傍聴者は困惑されたようです。

 傍聴席にいた筆者の配偶者は司法修習経験者ですが、それでもさっぱり分からなかったとこぼしていましたが、裁判長に近い原告席に着席していた筆者も理解不能でした。

 裁判長は傍聴者に理解出来るように話す必要はないので仕方がないのですが、裁判というものが如何に一般市民から遠いものかということを改めて実感しました。

 

 前置きが長くなりましたが、原告側は4名の証人を指定したと事前に知り、如何なる人物が証人として申請されたのか気になっていたのですが、気鋭の憲法学者が指定されていたことを当日知りました。しかしながら一身上の都合で証人を辞退されたらしく、残念でなりません。

 半年ほど前だったか新聞記事でお見掛けした方で、プライバシー権の現代的な意義を論じておられ、筆者は関心を持ったことを覚えています。

 注目すべきは個人情報保護委員会の事務局長を務める人物が指定されていたことですが、被告側が突然、同委員会に関する反論をすると申し立て、裁判官は合議のために一旦退廷。審議の続行が決まり、被告は次回期日までに準備書面を提出することになり、国の反論を受けてから証人の採否を決めることになりました。

 推測するに、国側は個人情報委員会の事務局長に出廷されるのは都合が悪いのでしょう。原告代理人の1人は口頭弁論後、裁判長が証人として事務局長に関心を持つ可能性があると話していましたが、事務局長が表に出ることを阻止するために国は準備書面を提出するのではないかと筆者は考えています。

 国が反論すると申し立てたところで、今までの経緯を見る限り、まともな準備書面が提出されるとは考え難いですが。

 

 裁判後の報告集会はYWCAで行われ、今回も盛況でしたが、神奈川訴訟の集会は質疑応答の時間があまり盛り上がらないように思います。

 東京の場合は原告数が少ない分、集会では車座になって参加者の顔が見られるのが幸いするのか、1人が発言すると話題が広がって議論が活発になるのが興味深いのですが、神奈川は集会の参加者が多いためにマイクを使う必要があるせいか、なかなか発言し難いようですね。

 集会では弁護団長である小賀坂弁護士が発言され、マイナンバー制度を監視する役目を負う個人情報保護委員会が機能していないことを指摘されていましたが、制度そのものが不備が多く、トラブルを誘発する仕組みになっているという話に深く頷きました。

 今回は集会後に原告等の交流会の場が設けられたのですが、筆者は仕事の都合で残念ながら参加出来ませんでした。

 昼食の時間でもあったせいか、交流会に参加せずに帰られた方も多かったように思いますが、時間が許せば参加したかったですね。

 原告同士で交流できる場がなかなか無いので、今後も交流会の場を設けて頂けると有難いと思います。

 

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