マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

マイナンバー違憲訴訟東京、第11回口頭弁論

 今月9日に開かれたマイナンバー違憲訴訟東京第11回口頭弁論をレポートします。

 7月に開かれた第10回の裁判を傍聴出来なかったため、今回は気合を入れて臨みました。前回の裁判の時点で12月の次回期日も決まっていたというのが気になったのですが、その理由は裁判が始まってすぐに明らかになりました。

 開廷後に例によって、男澤裁判長が今後の進行をしきりに原告側に詰めてくるのですが、瀬川弁護士によると、学者に意見書の執筆を依頼しているものの本人の都合で遅れており、意見書の提出は目途が立っていないと。次回期日までに間に合わない可能性があると説明したのですが、結審を急ぎたい裁判長は不本意な様子でした。

 

 被告が提出した支離滅裂な準備書面に原告が反論を始めると、被告側の代理人が苛立ちながら意義を申し立てたのですが、もはや裁判を続ける気がないのは明白です。

 まともな裁判長であれば、被告側の筋の通らぬ準備書面に対して意見のひとつもする筈ですが、何しろ男澤氏は国寄りの人物ゆえに原告側の主張も意に介せず、一向に議論を深めようとしません。

 次回期日は既に12月11日に決まっていましたが、裁判長は次々回期日まで強引に決めるのにも唖然としました。

 次々回期日まで決めるのが通例だという趣旨のことを平然と言い放つのですが、結審を急ぎたい裁判長がここへ来て独断で決めたことで、原告側は不本意ながら従うしかなく、年明けの1月に次々回期日が決まってしまいました。

 瀬川弁護士によると、男澤裁判長は任期のうちに国側勝訴の判決を書きたいのだろうと。スケジュールありきで議論を深める意思を持たない裁判長の元、国側がまともに裁判と向き合おうとしないまま結審されるのかと考えると暗澹たる思いに沈みました。 

 

 弁護士会館で開かれた裁判後の報告集会ですが、まずは瀬川弁護士がその日の裁判の報告をされました。国側が提出した、支離滅裂な詭弁を弄した準備書面は安倍政権の体質を反映しているという御意見に深く頷いたのですが、今回の集会では年金機構への申請問題が焦点になりました。

 マイナンバーがなくとも住基ネットで本人の照合は可能であるにも拘らず、国が莫大な予算を掛けてマイナンバーと連携するシステムに作り変えてしまったという話に眉をひそめたのですが、発言されたのは「共通番号いらないネット」で活動されている原田富弘氏で、自治体の職員でもある氏から興味深いお話を伺いました。

 マイナンバー制度を導入後、窓口での手続きに本人確認書類が必要になり、市民のみならず職員にも煩わしい手間が増大していること。

 手続きのための申請書に個人番号を記入した市民がマイナンバーカードを持たない場合、顔写真付きの確認書類が必要になるが、免許証等を持たない市民は本人を確認できる書類を複数揃える必要がある。

 窓口で対応する職員も提出された確認書類が適切であるかどうかを調べる手間が増え、その作業が煩わしいために、所持は任意であるはずのマイナンバーカードを市民に強く勧める結果になっているそうです。

 今回の裁判では3名の原告が陳述書を提出したのですが、うち2名の原告が報告集会に参加されていたので、直接お話を伺えたのが良かったと思います。

 

 また、全国で活動している弁護団の中で、某地方の弁護団が定期的な全体会議に参加していないとのことで、その弁護団の活動内容が不明になっているという話が個人的に気になりました。

 それぞれの弁護団で独自の戦い方はあるとは思いますが、全国の弁護団が一枚岩ではなく、時間の経過と共に考え方の違いが目立つようになっているのかと複雑な思いに囚われた次第です。

 最後にお知らせですが、来る今月20日の土曜日に、施行から3年が経過したマイナンバー制度を考える勉強会が都内で開催されます。

 今回は大きな集会になりまして、各業界で活躍されているスピーカーが複数登壇し、東京訴訟、神奈川訴訟を担当する弁護団のお話も伺えますので、問題意識をお持ちの方はお誘い合せの上ご参加ください。

 以下に日時と開催場所を明記しますので、ご検討いただければ幸いです。

 

 日時 10月20日(土曜日) 13:30~16:30(開場13:15)

 場所 東京都文京区本郷4-15-14 文京市民センター3階 3ーA会議室

 

 

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