マイナンバー違憲訴訟神奈川、第5回口頭弁論
先月14日に横浜地裁で開かれたマイナンバー違憲訴訟神奈川、第5回口頭弁論の模様を報告します。
裁判所の夏休みを挟んで期日が延びたこともあり、傍聴席が空いていたら嫌だなと思っていたのですが、蓋を開けてみたら大盛況で久し振りに満席になりました。
後から後から傍聴者が入廷するので席が足りるかと心配するほど盛況だったのですが、なぜ今回に限って傍聴者が多かったのかは不明です。
筆者は人数を稼ぐために配偶者を同行していたのですが、連れ合いが車を駐車場に
停めている間に傍聴席が埋まってしまい、今回は同席しなくてよいと連絡しようかと
考えた程です。
横浜地裁の大法廷には80名が着席出来ますので、今後もたくさんの方に傍聴して頂ければと思います。
本題に入りますが、口頭弁論の冒頭で原告側代理人が意見陳述し、国側が原告の主張を無視、あるいは曲解するなどして誠実に反論していないと訴えました。
この訴えに関しては全く同意で、過去の記事で筆者も述べた通り、国側はこちらの主張に対し、まともに反論した試しがありません。
これは初回の口頭弁論から傍聴している私の実感なのですが、国側は最初からこの裁判に誠実に向き合おうという意思を持ち合わせていないように見えます。
いつも被告席に並んでいる総務省の役人と思われる人物の投げやりな態度を見ても、
この裁判が国側にとっては消化試合に過ぎないことを物語っているかと。
つまり、最初から結論が決まっているために、まともに向き合う必要のない裁判だと
国側が判断しているということですね。
筆者は原告の立場ですから、このような本音を漏らしてはならないとは思うのですが、この裁判の判決が決まっていることは承知の上で、原告として参加したという経緯があります。
国側の不誠実な対応もさもありなんという目で見てはいるのですが、それにしても相手方の態度は大人げがなく、これで裁判長が違憲ではないと判断するとしたら、この国の司法が機能していないことを露呈する結果になるであろうと。
今回の原告本人の意見陳述は出版社を経営する方がされたのですが、同じ経営者として共感できる部分が多く、思わず拍手を送ることになりました。
「ものを言わない編集者で止まってはいけない」という件は筆者自身も同じ思いから
原告に参加しましたので、胸に響くものがありました。
最後に述べられた「人権を守る最後の砦」というフレーズにも痺れましたが(笑)、
果たして現在の社会情勢で裁判所が人権を守る砦としての機能を果たせるかどうか。
ところで、口頭弁論の後半で原告代理人と被告代理人が言い争う場面がありました。
こちらの主張に対して認否を求める原告側代理人に対し、「認否認否と仰いますが、
何を認否すれば良いのか分からない」という珍妙な答弁を繰り出す被告側代理人。
挙句の果てに、まだ試行段階に過ぎない情報提供ネットワークシステムが「7月18日から本格運用している」等のデタラメが飛び出すに至っては唖然とするしかなく、満席の傍聴席からはざわめきが起こりました。
口頭弁論後の報告集会で原告代表が憤っておられましたが、国側がまともに裁判に臨む気がないのは明白であり、予め結論の決まっている出来レースなのだろうという確信を深めた次第です。
それならそれで、最高裁までとことん付き合いますよ、というのが筆者の本音ではありますが・・・以上、マイナンバー違憲訴訟神奈川、第5回口頭弁論のレポートでした。
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